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男の生きざま
M.H.さんよりバトンを受け取りましたOです。
大袈裟なタイトルを付けてしまいましたが、お伝えしたいのは司馬遼太郎の描く「男の生きざま」の素晴らしさ、凄まじさです。
司馬遼太郎の作品との出会いは多感な中学生のころ、「坂の上の雲」が発刊され、父親が買ってきたのをついめくって読んで、はまってしまい、そこからの付き合いです。
「坂の上の雲」は日露戦争でロシア軍の中で日本が絶対かなわないと言われていたロシアのコサック騎兵隊とバルチック艦隊、これを叩き潰した日本陸軍騎兵隊創設者の秋山好古とその弟で海軍参謀秋山真之と、真之の親友で俳句の革命(近代化)を実現した正岡子規の3人が主人公の物語です。秋山兄弟は軍人ですが、二人とも軍人を志していたわけではまったくなく、時代に押し流されて軍人になってしまい、そしてたまたまロシアの強敵に向かい合い、全身全霊を賭して勝利しその職務を全うしたのです。ちなみにこの3人の主人公は愛媛県松山の出身です。
【日露戦争時 連合艦隊旗艦 「三笠」 於:横須賀市三笠公園】
中学時代から何度読み返したことか、新たに文庫本を買い直して、手元に残っている発行当初の本は2冊のみです。
本書の中では戦略、戦術の良し悪しによっていかに勝敗が別れるかなど、営業マン、営業マネージャーの方にも必読の書です。
司馬遼太郎の凄さは歴史上の人物(特に幕末)のまったく異なる「男の生きざま」を活き活きと表現していることです。「峠」では自身の立場、寄って立つところにこだわり続け、越後長岡藩を武装中立させ、ヨーロッパにおけるスイスになることを目指した河合継之助を、一方で「竜馬がゆく」では全く自身の立場に捉われず、自分の夢のみを実現することにすべてを掛けた坂本龍馬や、感情を排しすべてを合理的にのみ考え生きることで、蘭学の医者から長州討幕軍の総参謀となり幕軍に連戦連勝、江戸城無血開城を実現した「花神」の村田蔵六(大村益次郎)などなど・・・
いずれの主人公も自ら望んでその立場になった訳でも無いのに、死力を尽くして戦い続けるさまこそ、まさに司馬遼太郎さんの描く共通する「男の生きざま」かと、しかしその主人公たちの末路は必ずしも恵まれたものではありませんが・・・。
時に流されても流されなくても信念を持って生きていくのは難しいです。
若い方、若いと思っている方はもちろん、題材が題材なので「男の生きざま」というタイトルになってしまいますが、女性の方にもお勧めです読んでみてください、飽きないですよ~。
固い話になってしまったかな?スミマセン、では次はバトンの受け方も男らしいAさんにお願いします。
S.O.