東通産業株式会社東通産業株式会社

事例

株式会社 不二家様

フードディフェンスプログラムの確立にソニー製ネットワークカメラを導入

株式会社不二家様

不二家様の取り組み

株式会社不二家様
執行役員施設部長 高橋雅宏様と、施設部
次長 平岡照久様にお話をお伺いしました

株式会社不二家様は1910年の創業より、お菓子を通して、家族の団らん、笑顔を作る場を提供しています。その経営理念は「常により良い商品と最善のサービス(ベストクオリティ・ベストサービス)を通じて、お客様においしさ、楽しさ、満足を提供する」こと。その理念の追求に欠かせないことの一つが「食の安全」の確保です。不二家様では2007年よりAIBフードセーフティやISO9001品質マネジメントシステムに基づく商品衛生管理システムを導入し、全社を挙げて食品安全に取り組み、お客様を笑顔にする美味しいお菓子づくりに注力しています。

食の安全を確保するために、ネットワークカメラと入退管理システムを導入

株式会社不二家様 高画質なHD対応の防塵・防水型カメラ約250台を全8工場に導入

当社では2007年にAIBフードセーフティ指導・監査システムを導入し、食の安全に取り組んで来ました。AIBフードセーフティ指導・監査システムとは、安全な食品を製造するためにとらなければならない行為のガイドラインである適正製造規範(GMP)を重視した食品安全管理システムです。さまざまな食の安全対策の中でも、昨今、食品業界で特に課題となっているのが、フードディフェンス(食品への意図的な異物の混入を防止する取り組み)です。当社でもフードディフェンスという観点における食の安全は十分ではありませんでした。そこでフードディフェンスプログラムの確立に取り組むことにしたのです。フードディフェンスプログラムを確立するには、食品工場の敷地内に不審者を入れない、フードテロを抑止する監視体制を強化する、異常があった際にすぐに確認できるなどの仕組みを構築し、従業員が安心して働ける環境をつくっていかなければなりません。それを実現する方法として、従業員教育を徹底することはもちろん、ネットワークカメラシステムや静脈認証による入退管理システムの導入を決めました。

数あるネットワークカメラシステムの中で、ソニーに決めた第一の理由は画質の良さ、HDという高画質で映像が記録できることです。今回のネットワークカメラ導入の目的は、先述したようにフードディフェンスです。従来から行っている工場の外周はもちろんですが、工場内の製造設備をモニタリングし、食の安全を確保する製造が行われていることを記録することが目的です。ソニーのネットワークカメラは非常に細やかできれいで、暗いところでも非常に見えやすかったです。これは他社と比較しましたが、ソニーのカメラが一番だと感じました。しかも設置場所には原料仕込みや原料加工の現場、原材料の管理室などがあります。このような場所では小麦粉などの粉物が扱われるため、粉塵対応も必要です。高画質かつ防塵防水設計のカメラもソニーでは用意されていたこともポイントでした。

第二の理由は、既に当社に導入されているビデオ会議システムがソニーだったことです。同じソニーのネットワークカメラシステムであれば、既存のビデオ会議システムとの連携が容易にできます。ビデオ会議システムとネットワークカメラシステムが連携されれば、例えば本社から工場の様子を見ることも簡単にできるようになると考えたからです。これも大きな決め手となりました。

食品安全には従業員ひとりひとりの意識と理解が重要

株式会社不二家様
記録された映像はフードディフェンスだけでなく労働安全や業務改善にも活用

まず導入したのは埼玉工場と平塚工場の2カ所の主要工場です。現在、平塚工場では58台のネットワークカメラが稼働し、各職場の映像を記録しています。これによりお客様に食品の安全を確保できているという記録を、高画質な映像で残せるようになりました。これが一番の大きな導入効果です。それに加えて、同システムは労働安全にも役立っています。例えば「階段の手すりを握って上がりましょう」と言うルールがあるのですが、映像で手すりを握っていない従業員を見つけると、その従業員を呼んで指導するのです。これも映像が鮮明だからこそ、できることです。しかもビデオ会議システムと連携しているので、各工場の映像は本社からも見ることができます。これも大きな効果を生んでいます。


このような効果を出すために重要になるのが、導入時の従業員への教育です。なぜならネットワークカメラを設置するというと、従業員は自分たちの行動を監視するためだと考えがちだからです。そうではなく、ネットワークカメラの設置は従業員にとっても安心して働ける職場を作っていくためのものであることを理解してもらうために、本社のCSR推進部や食品安全管理本部のメンバー、さらに人事部、工場長などが協力し、従業員全員に理解されるよう教育を行いました。従業員の理解を得られて初めて、食品の安全の確保はもちろん、先のような労働安全対策にも活用できているのだと考えています。

全8工場に展開、食の安全を確保し、お客様を笑顔に

株式会社不二家様
工場内の様子は常時オフィス内の大型ディスプレイに表示され、ビデオ会議システムを通じて本社に映像を送ることも可能

まだまだ活用が始まったばかりですが、食の安全、労働の安全の確保に貢献できるなど、概ね満足しています。ただ58台もカメラを設置し、記録しているので、見たい職場の映像にすぐにアクセスできるような機能があれば、より使いやすいと思いました。万一の有事が起こっても、そのような機能があれば、すぐに対応できるからです。

もう一つ、できればよいと思っているのはRFID社員証と連携した、食の安全のための仕組みづくりです。例えば入場から退場までの安全対策のプロセス(手洗い、コロコロローラーをかける、エアシャワーをかけるなど)をRFIDと連動してカメラが追随し、映像として記録させるというようなことです。


まずは今回平塚工場、埼玉工場の2工場に導入したネットワークカメラシステムを、静脈認証システムと共に全8工場に導入していく予定です。私たち不二家はお客様にお菓子を通して笑顔を届けるため、これからも美味しいお菓子作りはもちろんのこと、食の安全・安心を提供するシステムづくりにも注力していきます。

※ソニービジネスソリューション株式会社の取材に基づく事例記事です。
 弊社では、カメラ選定からレコーダーを含む各種パラメータの決定・設定に至るインテグレーションを行いました。

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